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「免震構造について 第3回」これから住まいを検討するなら知っておきたい、いま注目の免震構造。

もっと知りたい、免震構造のこと

 

 

耐震構造や制振構造では、地震の揺れがダイレクトに建物に伝わるのに対し、建物と基礎との間に免震装置を設置することで地震の揺れを受け流すことができるのが、免震構造です。建物内で揺れが軽減されるため、家具の移動や転倒、棚にしまってある物が落下する危険性が少ないというメリットもあります。いまいち普及していないのは、コストの問題とスペースの確保という課題があるため。・・・と、ここまでは前回で解説しました。

 

今回はもう少し踏み込んで、免震構造の特徴を紹介してみたいと思います。

 

■免震装置とは?

建物と基礎との間に免震装置を設置するのが免震構造です。では、免震装置とは一体どのようなものなのでしょうか。一般的な免震装置は、アイソレータとダンパーという耳慣れない装置で構成されています。アイソレータの代表的なものに、鉄板とゴムを交互に重ねた「積層ゴム」というものがあります。横方向には柔らかくゴムの弾力で動き、縦方向には固くマンションの重さを支えることができます。しかしアイソレータだけではいつまでも続く揺れを止めることができません。それを抑えるのが、ダンパーの役目になります。アイソレータやダンパーにはそれぞれ様々な種類があります。

 

■どれぐらい揺れを軽減する?

免震装置を介入させることで、建物自体の揺れを軽減する免震構造。実際に建物内では、地震の時の揺れを通常の3分の1から5分の1にまで軽減することができるといわれています。また、耐震構造では上層階ほど大きく揺れますが、免震構造ならどのフロアでも同じ程度の揺れとなります。

 

■免震マンションで地震を経験した人の声

まだ新しい構造のため、データの集積はこれからの課題でもありますが、免震構造のマンションに暮らす地震体験談も少しずつ集められています。

 

1)2004年10月に起きた新潟中越地震にて、東京都千代田区でも震度4が記録されていますが、都内の免震マンション居住者の声に、「ゆっくりすべるような揺れ方で大きな地震と思わなかった」という証言がありました。

 

2)2005年3月に起きた福岡県西方沖地震にて、福岡市内の免震マンション居住者が、「揺れが少ないため小さな地震と勘違いした」という経験談が報じられています。

 

3)2005年4月に起きたマグニチュード6.1の千葉県北東部地震では、東京の免震マンション居住者の中に、地震に気づかなかった人が27%いたというデータがあります。

 

■いつでも大地震に備えておくために

大地震に対して効果が期待されている免震構造ですが、いつ地震が来ても免震装置が働いてくれなければ意味がありません。そのためにも、日頃の点検や、劣化した部品の交換なども重要です。ちなみに免震装置の一部である積層ゴムの寿命は、マンションの寿命と同程度だと言われています。

また、揺れが軽減されるからと安心しきっていてもいけません。家具を壁に固定したり、食器棚の扉に耐震ラッチを付けるなど、自分たちでできる地震対策は、日頃から心掛けておくことが大切です。

 

■建物の資産価値としての期待

免震構造の建物は、建物そのものの損傷を抑えることができます。また、免震装置も交換や補修を考えて設計されているため、建物という資産を守りやすいとも言えます。例えばアメリカでは、建物の質や管理の良さが不動産の価値として評価されています。これからのストック社会化が予想される日本においても、地震被害のリスクや補修時のコストなどが資産価値に反映されるようになるかもしれません。免震構造が評価され、今後高く取引される可能性もあるでしょう。

 

地震大国、日本。近い将来には、「首都直下型地震」や「東海地震」などの発生も予測されています。いつ起こるか分からないだけに、自分の命はもちろん、家族と資産を守る備えだけは万全にしておきたいですね。

弊社売主物件 パークタワー東雲3202号室

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