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自然と調和の取れた街「文京区小石川」

室町時代より発展し、武家屋敷の伝統を継承。 豊かな自然と文教の薫りが漂う、文京区の前身。

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文教の地としての歴史を紡ぐ、閑静な山手の外郭。

東京23区の中で最も犯罪の少ない文京区は、東京大学をはじめ有数の名門校が数多く点在する、文教の地としても有名です。

その文京区の西側の領域を、かつては小石川区と呼んでいました。この小石川地域は、東京山手の外郭に位置し、多くの文人や政財界人も愛されるエリアでした。同エリアは今なお、山の手屈指の閑静な住宅エリアとして人気を博しています。

現在では、多くの地域で小石川の名は冠称されなくなりましたが、小石川地域の南東部に限り「小石川」の町名は継承されています。

都営三田線および大江戸線の「春日」駅、東京メトロ丸ノ内線および南北線の「後楽園」駅、東京メトロ丸ノ内線の「茗荷谷」駅などが利用でき、閑静な住宅街ながら、交通の便にも優れているという特徴があります。

 

武家屋敷の伝統を継ぎ、多くの文人に愛されてきた街。

小石川の地は、かつて旧東京市における区名でした。そもそも小石川という地名の歴史は古く、室町時代にまで遡ることができます。当時、伝通院(創建当時は寿経寺)の前を流れていた川に小石や砂が多かったために、一帯は小石川と名付けられました。

江戸時代、小石川村には大名屋敷や武家屋敷が置かれており、伝通院、源覚寺、護国寺などの神社仏閣が建立されたことで次第に町として形成されていきました。

江戸時代初期には、水戸徳川家の江戸上屋敷内に築山泉水回遊式の日本庭園がつくられ、後に水戸光圀が改修したことで「小石川後楽園」が誕生しています。また、現在の「小石川植物園(正しくは、東京大学大学院理学系研究科付属植物園)」も、江戸幕府によって小石川御薬園として開園されています(大塚に開園後、小石川にある5代将軍徳川綱吉の別邸に移設)。

明治に入ると、広大な武家屋敷の跡地は大学などの教育機関の敷地や軍用、高級住宅街に転用されました。また明治期には、夏目漱石、永井荷風、幸田露伴、石川啄木、新渡戸稲造など、多くの文豪が小石川の地に身を寄せていたことでも知られています。こうした歴史的背景が、現在の文教地区としての素地になっていると言えるでしょう。

1947(昭和22)年、小石川区は東に隣接した本郷区と合併し、文京区となりました。合併後も、「大塚」や「音羽」、「春日」、「後楽」、「千川」など、旧小石川区の地域には、小石川の地名が冠称されていましたが、現在は旧小石川区の南東部のみに、小石川の町名が継承されています。また、小石川植物園(文京区白山)や、小石川後楽園(文京区後楽)などにも、小石川地域の名称が残されています。

 

伝通院伝通院 護国寺護国寺

 

現代にも継承された、豊かな自然と文教の薫り。

文京区の西側を形成する小石川地区(旧小石川区)には、小石川植物園や小石川後楽園などがあり、古くから緑豊かな環境が整っている地域でもあります。中でも小石川の街を象徴するのが、小石川4丁目と5丁目の境にある播磨坂です。1960(昭和35)年に桜の木約150本が植えられ、現在では立派な桜並木に成長。毎年「文京さくらまつり」が開催される、都内でも有数の花見スポットとなっています。

また、文京区は東京大学を始めとする名門大学及び教育施設が数多く点在する文教の地としても知られています。小石川の周辺にも、東京学芸大学付属竹早小・中学校や筑波大学、お茶の水女子大学のキャンパスなどが揃い、地域にアカデミックな雰囲気を漂わせています。

徳川家に縁ある伝通院、“こんにゃくえんま”として庶民に親しまれてきた源覚寺など、神社仏閣が多いのも小石川の特徴です。平成7年には、源覚寺の毘沙門天、福聚院の大黒天など小石川七福神が定められ、小石川七福神めぐりを楽しむこともできるようになりました。神社仏閣や史跡を巡って伝統ある街並をそぞろ歩くことで、今なお残る風雅な面影に気付かされることでしょう。

かつては大名屋敷や武家屋敷が揃い、多くの文人に愛された街、小石川。その由緒は、豊かな自然と閑静な文教の雰囲気に包まれた山の手の邸宅街として、現代にもしっかりと継承されているのです。

 

小石川植物園小石川植物園 小石川後楽園小石川後楽園

 

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